5人の王子とお姫様!
熱い視線が突き刺さる中、小さくため息を吐いた。
「なんで?」
「そこよ!」
よくぞ聞いてくれた!とでも言うように、横に置いてあるファイルから何かのパンフレットを取り出した。
そしてバンっとテーブルに置く。
テーブル、壊れないかな。
……なんてことを考えている私に、お母さんは構わず話し出した。
横槍を入れる気すらもう無いらしい。
「叔母さん、知ってるでしょ?」
「…ああ、美里叔母さんね」
美里(みり)叔母さんはお母さんの妹で、30代半ばのお母さんとは3歳違いの姉妹。
小さい頃に何度か遊んでもらったことがあるけど、子供ながらに「異常だ」と思えてしまうような苦い記憶しかない。
とにかく、あの頃は振り回された。
思わず顔をしかめて身震いする。
「で、その美里が理事長を務める学校がこれなんだけど…」