5人の王子とお姫様!
「ごめんね、困らせて」
「……」
「あと……ありがとう」
一番伝えたかったことは、まず感謝の気持ち。
楓斗が背中を押してくれなかったら、私は昴と話す機会をまた逃すところだった。
楓斗は何も言ってこないけど、聴いてくれてるのは分かってるから私は勝手に話し出す。
「今日、昴と話せた。昴に心配、いっぱいかけちゃったけど、ちゃんと気持ち伝えられた。楓斗のおかげ」
「……おう。そりゃ良かった」
謙遜するでもなく、静かに私の言葉を受け止めてくれる楓斗は分かりにくいけど、優しいんだ。
憎まれ口を叩くのは、女性を近づかないための威嚇。
口が悪いけど、周りをよく見ていて困った時に手を貸してくれる。
ただ助けるわけじゃなくて、その時どうしたらいいのか助言をくれて後押ししてくれる。
答えを導いてくれるけど、大切なことはそっと後ろで見守っててくれる。