5人の王子とお姫様!
「進捗はどうかな、天音ちゃん」
ふるふる、と私は首を横に振って返事する。
「手遅れ」
「手遅れってなんや天音!?」
講義の声を上げる光邦は当然無視。
理数系の聖が教えても理屈っぽくて逆に勉強に集中できないんじゃないかと思ってバトンを受け取ったはいいものの……
「なあなあ、天音ぇ。こんなんやめて2人で遊びに行かへん?」
これである。
ちょっと、いや結構、頭にくるものがある。
そもそも2年の範囲を私が教えるのもおかしいのに、この態度。
日頃から聖に勉強を見てもらっているから基礎ができてるとはいえ、私がやることじゃないのに。
「勉強できたら、行ってもいい」
「ほんま!?」
はあ、とため息をつきながら適当に言葉を返した途端、光邦がバンッとテーブルを叩いて立ち上がった。
……びっくりした…。