5人の王子とお姫様!
何なのか、理解できない中で。
楓斗の発した言葉に、私は目を見開いた。
……瞬間。
「えー加減に……っせぇや!!!」
間に割って入って、楓斗の行動を阻止する声が耳に響いた。
眉を釣り上げて、それはそれはお怒りらしい光邦。
そんなの、耳には入らない。
「今……言った…?」
「「……は?」」
その一言で、喧嘩を中断して見事に言葉が重なる楓斗と光邦。
「名前、言ったでしょ…?」
首を小さく傾けて聞けば、光邦と喧嘩を再開しようとしてたのが嘘みたいにまた顔を真っ赤にした。
そんな楓斗は、何か言おうとゴニョゴニョしてたけど全然聞こえなくて、突然改まったように見てきた。
「そ……っそう、だよ…。悪りぃかっ!!」
「……悪くない、けど…。ただ……」
逆ギレ…。
ヤケになったような楓斗に、怒ることもなく一瞬言いかけた言葉を続ける。