5人の王子とお姫様!
「嬉しいなって、思った…」
少しはにかみながら言うと、その場が静かになった。
あれだけうるさかったのが一瞬で。
まさかの空も驚いたように表情を固くして、聖まで頬を赤く染めて。
琉羽なんかは真っ赤な顔でふるふる震えている。
そんなの、ほんの数秒だったと思うけど。
あまりにレアな光景だった。
「楓斗、ちょっと殴ってもいい?」
明らかに怒っているだろう琉羽は、女の子のような可愛らしい顔に似つかず物騒なことを口にした。
琉羽、キャラが崩壊してる。
けど、そんなこと到底言えない雰囲気であることは間違いなかった。
「言っとくけど、天音の『好き』は友愛の『好き』なんだからねっ」
「…っ分かってるっつの、そんなこと!!」
……?
私、何かおかしなことでも言った…?
何で楓斗が責められてるんだろう。