5人の王子とお姫様!
言いながらちらりと転校生を盗み見る琉羽。
まずい、と思った瞬間。
「あ、ははは……ははっ」
楽しそうな笑い声に、全員一致で目が点になる。
身構えてた体の力が抜けて拍子抜けした。
「あんた達もう、はは、あははは……あー、もう」
すごく、楽しそうな転校生。
意味不明な現状に頭にはクエスチョン。
「あたし、綾瀬理沙子ってちゃんと覚えてよ。これから同じ寮生なんだから」
「……はあ」
さっきとは打って変わった明るさに圧倒されて出た、気の抜けた返事。
よく、分かんない……。
「あの童貞くんとは馬が合いそうにないけど、あんた達なら仲良くできそうな気がする」
童貞くん…。
光邦、哀れ…。
同じことを思っただろう琉羽と楓斗も渋い顔。
「昼間はジロジロ見ちゃったね。私と同じ女子がいるのが珍しくてさ。まあ、よろしく」
グロスののった唇で、女の私でも見惚れるほど綺麗に微笑む彼女。
ね、姐さん…!
密かにそんな呼び名で呼んだことは内緒だ。