5人の王子とお姫様!
文化祭は準備から…?
*
「よおーし、んじゃあとは実行委員に任せるぞー。俺はここで見てるからな。何かあっても頼ってくるなよ」
「えー…先生、頼っちゃいけないんですかー?」
「当然だ。文化祭はいわば生徒の出し物で優劣が決まる行事だからな。教師の俺が割り込むもんじゃないだろ」
そんなやり取りが教室の前の方から聞こえて、欠伸を噛み殺しながら目を向ける。
眠い……。
日当たり抜群の席で眠い目を擦るとようやく、黒板の文字が視界に映った。
喫茶店やらダンスやら劇やら、バツがつけられたそれらに混じって赤く丸が付けられたのは、先日から引き合いに出されていたある出し物の名前。
『和風縁日』
そう、今は文化祭の出し物を決める時間。
ああ、決まったのか……。
どこにでもありそうな出し物を想像して、なんとも気のない事を思った。
……けど、ここで問題発言が一つ。
「なーんかそれだけじゃ面白くなくね?」
「じゃあお前なんか案あるのかよ」