5人の王子とお姫様!
むっとして聞き返す実行委員の男子に、待ってましたと言わんばかりににんまりと口を歪めて笑うと、彼は言った。
「和風なんだから、服装もそれらしくしようって事だよ。男子は制服の上からはっぴ着てさ、んで女子は超ミニの浴衣。ちなみにフリル付き!」
学年でエリート揃いのAクラスの生徒が発したとは思えない提案に、え……と口をあけて惚ける。
だって、このクラス……
いや、この学校……私と理沙子姐さんの女子2人しかいない…。
予感をも通り越した嫌な確信に、無表情で視線は宙を泳ぐ。
「おーい。柳瀬の目が据わってるぞー。いいのか本人無視して決めても」
後ろから先生の声がかかった瞬間、教室中のほぼ全ての視線がこっちに向く。
……な、なに…?
思わず怯む素振りを見せたところで、口々に皆が頭を下げた。