5人の王子とお姫様!
「ぎゃあぎゃあうるっせーな!人の迷惑も考えろ!!いい加減にしろよお前ら!!」
そこに、凄まじい剣幕で怒鳴り込んできた――4人目。
本日、最大級の大声を聞いた気がする。
静まりかえる室内。
琉羽は不満げ、光邦はやれやれと深いため息をついている。
……おお…。
ただの一喝でこの場を収めてしまった。
明るめの茶髪と、色素の薄い同色の瞳。
若干、丸みを帯びた顔形、眉間に深く刻まれたシワ。
この上なく不機嫌そう。
低く凄むような声。
迫力は満点……だった、けど。
暴動を止めたのは、中性的な“童顔”の男の子だった。
琉羽は外見ではなく雰囲気に幼さが残っていた感じ……というか、得てしてあの言動だった。
けど、この人は容姿そのものが総じて幼く見える。
もっとも、口調は至極乱暴で、全くもって伴っていないけど。
性格もそれはそれは男らしいんだろう。