5人の王子とお姫様!
聞いているのかいないのか、空と呼ばれたその人は前後左右に大きく首を揺らして、今にも寝そうだ。
そんな彼に、親近感を持って近付く。
「さっきはどうも。……よろしく、ね」
「……ん……あー、ああ……」
重い瞼を持ち上げて、反応を示した彼は私のことをちゃんと覚えているらしい。
思い出したように声を漏らして、ガクリと大きく頷いた。
「あれ、天音ちゃん空と知り合いだったの?」
「うん、だった」
ホクホクとした心持ちでこくり、頷く私を余所に、苛立ちを孕んだ声がかかる。
「そんな事どうだっていいんだよ。俺が聞きたいのは、何でここに女がいるかってことだ」
“どうでもいい”って言葉にムッとする。
この人、失礼。すごく、失礼。
「ああ、それは…」
「……って、空!寄っかかんな!」
「んー…」
「いや分かってねーだろ!」