5人の王子とお姫様!
「ええ?なぁーに、みっつー。
あ、そっかぁ〜、ふー女嫌いだからかもね。天音みたいな可愛い女の子がいたもんだから、ふー焦っちゃったんだよぉ。だって、ねぇ?ほら、ここ男子校だったし今までそーいうの気にしなかったでしょー?」
「え、いやあ〜……俺はお前ん話を——」
「ね、ね?きっっと、そぉだよねぇ?」
「………そ、そうなんかも…し、しれへん、な…」
そんな会話を小耳に挟みながら、考える。
楓斗、元気ないの……私の、せい?
何かできないかな…
と、ピンときて楓斗に歩み寄る。
「どぉしたのー?」
「今はあんま近付かへん方がええで」
聞こえたそんな制止に無関心を決め込んだ。
そして。
「……あの、楓斗」
「……あ?何だよ、馴れ馴れしいやつ。あっち行けって……っん゛!」
鬱陶しいって、滲み出る声色。
口に、あるものを放り込む事で押さえ込む。