5人の王子とお姫様!
動揺、混乱。
目を白黒させる楓斗の表情にいろいろな変化が起きて……
「何だ、これ。痺れ、……う…っぅ」
「山椒、美味しいから元気でる。
……どうした、の?」
最初は不思議そうにしていた楓斗の顔色がみるみるうちに悪くなる。
青い顔。血色、悪い。
ついには口を抑えて、何かから抜け出すように体をひねって、椅子から転げ落ちた。
……本当にどうしたんだろう。
「ひ、ひじ……ひじ聖……っ、水、くれ…っ」
生気を取り戻したように勢いよく立ち上がった楓斗。
一目散にキッチンへと駆け込んで、姿を消した。
……何がダメだったんだろう…。
服のポケットから取り出した山椒の袋を握って、その場に立ち尽くす。
目を点にしてこっちを見る琉羽と光邦が視界の端に窺えて、何かしてしまったということだけは理解できた。