5人の王子とお姫様!
私は山椒食べたら元気が出るから、楓斗にも元気の元をお裾分けしたつもりだったけど。
良かれと思ってした行動だったのに、裏目に出てしまった。
もの寂しい気持ちで取り残されて、気分が急激にしぼむ。
その時。
ゴンっ、と静まり返った空間に落下音が盛大に響いた。
見れば、空がソファーから転げ落ちて、床に頭を打ち付けていた。
「大丈夫?」
慌てて駆け寄って、しゃがみ込む。
すごい音がしたけど、大丈夫だろうか。
「…お腹、空いた」
仰向けの空は、うっすらと瞼を開けてポツリ、呟いた。
とりあえず、問題はなさそう。
ほっ、と息をつく。
「……ぷっ…」
後ろで小さく吹き出す声がして、振り向いた。
笑いを堪えるように口を抑える琉羽。
その後ろには、もはや隠すことさえせず、盛大に笑う光邦がいた。