5人の王子とお姫様!
chapter*2
これがここでの日常です
***
「……」
目が覚めると、周りの景色がいつもと違った。
けど、すぐに気付く。
そうだ、ここは家じゃない。
昨日から寮に入ったんだった、と思い出しながらベッドから降りる。
まだ頭がぼーっとするのは朝に弱いから。
備え付けの洗面所で顔を洗うと、やっと意識がはっきりした。
真新しい制服に袖を通すと、何だか気分がシャキっとする。
1ヶ月とはいえ、学校には通ってたんだけど。
ゆったりと階段を降りて、共用のリビングに入ると、昨日と同じいい香りが充満していて、お腹が鳴った。
聖、起きてるんだ…。
昨日、騒動の後にご馳走してもらった絶品パスタを思い出しながら、小さく心躍らせる。
聖の料理は文句無しに美味しかった。
「ああ、おはよう天音ちゃん」
「…ん、おはよう」
「はは、眠そうだね」