5人の王子とお姫様!
言葉の足らない私に、困ったように笑いながら丁寧に答えてくれるお兄さんな聖。
おお、流石だ。
ご飯全員分、加えて家事のほとんどを請け負っているというのだから、その労力も際限がなく思えてきた。
……今度、手伝おう。
そう決意を固めた私の側で、聖は思い出したように用意する手を止めた。
「そうだ。天音ちゃん、お願いがあるんだけど…」
「なに?」
決意した側からのお願い。
これから沢山、お世話になるだろうから、聞かない手はない。
よしきた、と姿勢を正す。
「朝食の前に皆を起こしてきてもらえないかな?ちょっと手が離せないんだ」
時計を確認、流しに目を向けて、また私に視線を戻す。
うん、忙しそう。
正直すごく、すごく面倒くさいけど。
他ならぬ聖のお願いを断れるわけがない。
それに……