5人の王子とお姫様!
「……ふ、ぁああ……どうしたん?」
大口を開けて欠伸をする光邦。
「起こしに来た」
「なんや、今日は聖とちゃうんか」
目をこすってて、すごく眠そう。
顔、洗えば覚めるのに。
「聖じゃなきゃ、イヤ?」
「んーん、そないなことないから安心せえ」
にっこり笑って返されて、正直戸惑ってしまった。
……何に安心すればいいんだろう。
うーん、とどうでもいいことを真剣に考えてしまうのは私の癖。
それで周りが見えなくなるのは本当に困る。
「ま、とりあえず……」
「…?」
「目覚めの朝はお姫様からのチューが無いと始まらへんよなぁ〜」
顎をクイっと持ち上げられて、音符がつく勢いで言われる。
気持ちが一気に氷点下まで冷めた。
「……」
ひたすら無言、そして無表情。