5人の王子とお姫様!



既に身支度を整えて、眉間にしわを寄せる不機嫌そうな楓斗。


反射で謝ったけど、別に私が謝る必要ない…。


それもこれも、楓斗の突っかかる物言いのせいだ。



挙句、ため息までつかれてしまった。


昨日の事といい、いい加減私の立場がない。


なんかちょっと、腹が立つ。



「すぐ行くから——」



イラっとした私は、何かを言う楓斗の言葉を聞かず、扉を閉めてやった。


朝から不機嫌が伝染しそうな相手にどう接していいか分からないし。


そう、何となくだ。




206の部屋。


間挟んだ自分の部屋を素通りして、慣れたようにチャイムを鳴らすけど……



当然のように誰も出ない。


残ったのは琉羽か空だし、こうなることは分かっていた。



この寮の人は朝に弱い人が多いらしい。


私も決して強くないから、理解するのにそう時間はかからない。


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