5人の王子とお姫様!
肩を揺すってみるけど、小さく眉を寄せただけで起きる気配はなし。
それどころか、こっちを向いた琉羽の手が伸ばされて……
「っ……」
ぐい、と引き寄せられる。
バサリ、すぐ近くで衣擦れの音がした。
スプリングの効いた柔らかい感触に目を開けると、がっちり回った腕が目に入った。
え、っと…?
あっという間に、私は布団の中へと引きずり込まれていた。
見れば、さっきと変わらず熟睡中の琉羽。
なるほど、寝ている琉羽は手癖が悪いらしい。
こんなことなら、出てこなかった時点で引き返せばよかった…。
面倒だ、と思いながら腕を外しにかかる。
だけど……
「……?」
思いのほか、力が強くて振りほどけない。
甘い外見だからと侮っていたけど、琉羽もやっぱり男の子だ。
背も私よりずっと高いし、こうして触れると体格がしっかりしてて少し固い。