5人の王子とお姫様!
食堂に戻ると、既に楓斗と光邦は席についていた。
「おかえり天音ちゃん。ありがとう、助かったよ。で、空と琉羽は?」
「空…は、出なかった。琉羽は起きた」
聖に返しながら、何度チャイムを鳴らしても誰も出なかった部屋を思い出す。
そっか、空の部屋か。
今更ながら思い至って、なら仕方ないと一人納得する。
「うーん、仕方ないな。空が朝遅いのは今に始まったことじゃないからね。
……ところで天音ちゃん、何かあった?」
「……なんで」
「ここ。シワが寄ってる」
眉間をツンと突つかれて、慌ててシワを緩める。
恥ずかしさを紛らわすために、前髪を直すふりをするけど……
そんな私を見て、聖は優しい顔でくすりと笑う。
お、お見通しだ…。
もっと恥ずかしくなった。