5人の王子とお姫様!
それだけでは飽き足らず、中央に置かれた付け合わせのサラダに手を伸ばす空。
……ブラックホール並みの胃袋だ…。
私も食い意地が張っている自覚はあるけど、ここまで大食漢じゃない。
一見細身の空の体のどこに吸収されて行くんだろう。
絶対に解決しない謎だと思った。
そんなこんなで朝食を終えて、聖が当然のように片付けを率先してくれる。
私はテーブルを拭くお手伝い。
すると、ジャージ姿の楓斗がエナメルの鞄を肩にかけて顔を出した。
「手伝えなくて悪い、聖。先行くわ」
言いながら、さっさと出て行ってしまう。
「俺も行くわ。聖、おおきに」
ブレザーの下にパーカーを着た制服姿の光邦も、その後に続く。
意外に二人とも律儀な面がある、と思いながら壁にかかった時計に目をやる。