5人の王子とお姫様!
初日だし、私も早めに行った方が良さそう。
……絶対迷うから。
余裕が有り余るくらいじゃないと無理。
昨日の件でやっと自分の方向音痴を自覚した私は、密かにそう思った。
「あーまね、一緒に行こ?」
ぽん、と肩を叩かれて笑顔の琉羽に声をかけられる。
びっくりした…。
もう近づいてきて平気なのかな。
さっきの気まずさはパッと見て無さそう。
琉羽と一緒に行った方が安心だからと、私は素直に頷いた。
「聖。私、琉羽と行くから」
「良かった、それなら安心だね。空は僕が連れて行くよ」
聖との簡単なやり取りのあと、荷物を持って玄関で琉羽と合流。
「じゃ、案内するから行こ行こっ」
無邪気に笑って手を引いてくる琉羽。
あー……なんか、緊張する…。
新しい学校に胸をドキドキさせながら、私は学校へと向かうのだった。