5人の王子とお姫様!



極端に喋らない私に何かを感じたのかは知らないけど。


「ごめんなさいね。先生はしゃぎ過ぎたみたい」



最後に笑んだ先生は、もう何も聞いてこなかった。







「じゃあ、呼んだら入ってきてね」



そう言って先生が教室の扉を開けたと同時、漏れてきた騒がしい声。


うるさい、すごく、耳障り。



扉のガラス越しに写る人の波。


脳が痺れそうな、耳に届く音。


目に入るもの、聞こえる全てが神経に触るのは、さっきの事を引きずっているからだ。



私、ここまで弱かったんだな…。


我ながら可哀想に思える。



閉じ切らなかった扉の隙間から中を見つめながら、絶望にも似た感覚が擦り込まれていくのを感じていた。




「今日は転校生がいます」


「どうせ男だろー」


「もういいから早くしてくださいよ」


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