5人の王子とお姫様!
極端に喋らない私に何かを感じたのかは知らないけど。
「ごめんなさいね。先生はしゃぎ過ぎたみたい」
最後に笑んだ先生は、もう何も聞いてこなかった。
*
「じゃあ、呼んだら入ってきてね」
そう言って先生が教室の扉を開けたと同時、漏れてきた騒がしい声。
うるさい、すごく、耳障り。
扉のガラス越しに写る人の波。
脳が痺れそうな、耳に届く音。
目に入るもの、聞こえる全てが神経に触るのは、さっきの事を引きずっているからだ。
私、ここまで弱かったんだな…。
我ながら可哀想に思える。
閉じ切らなかった扉の隙間から中を見つめながら、絶望にも似た感覚が擦り込まれていくのを感じていた。
「今日は転校生がいます」
「どうせ男だろー」
「もういいから早くしてくださいよ」