5人の王子とお姫様!



「っ…!!」


横から肩を軽く叩かれて、意図せず体が大きく跳ねる。


おそるおそる目を向けると。



「ごめんねぇ、驚かせちゃったかなぁ?僕だよ、ぼーく」


そこにはニコニコ笑う琉羽がいた。



……良かった。


相手が相手だっただけに、ほんの少し肩の力が抜ける。



私がこの人のことをどんな目で見ていようと関係ない。


それは少なからず言葉を交えて、好感の持てる人物だと知っているから。



……大丈夫。


大丈夫、大丈夫だから。



息の仕方をようやく覚えられたような感覚。


安堵して、ほんの少し、心に生まれた余裕。




「今日は朝礼なので各自廊下に並んでください」


先生が声をかけると同時、教室中が立ち上がる。



「僕たちも行こっか」


「うん」


「ほぉーら、くーもだよ!」


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