5人の王子とお姫様!
体育館に着くと、もう何クラスかの生徒は集まっていた。
まるで大ホールにでもいるような広い体育館をキョロキョロ見回していると、前の方に少数の集団を発見した。
そそくさと近付いていくと、最初に聖が気付いてくれた。
「ああ、天音ちゃん。良かった、迷わず来れたんだね」
「琉羽が一緒だったから平気」
「そうなんだね」
なら安心だ、と心底ほっとしたような顔で笑うものだから、本当に調子が狂う。
ストレートに気遣われて、なんていうか……
視線のやり場に困るというか、反応しづらいというか。
少し、複雑な気分。
「なーんか聖ってさぁ、天音には妙に優しいよねぇー…」
そんな聖を見て、じっとりした目で琉羽が言う。
……何か気に入らないことでもあったのかな…。
聖が私に良い顔をしているのが面白くないという、そんな琉羽の心境を知らない私は、小さく首を傾げた。