5人の王子とお姫様!



ええっと……



「そうなの?」


だいぶ身長差のある聖を見上げる。


首、痛いくらい。



「意識はしていないんだけどね。
うーん、天音ちゃんが女の子だからかな」


苦笑する聖の横から、光邦が顔を出す。



「何やそれ、フェミニストやん。聖そういう気ぃあったんか」


「……ふぇみ、すと…?」



うまく発音できなくて、何のことだと光邦を見やる。


すると、琉羽が説明してくれた。



「フェミニスト、だよ。んー、簡単に言うとねぇ、女の子を大事にする人ってことかなぁ。 
えへへ、実は僕もあんまり知らなーい」


おどける琉羽に、ふぅんと返して頷く。



確かに、聖は優しい。


けど、なんか……



「聖はそうじゃねーだろ。むしろこの中じゃ、一番遠いんじゃねーの」


“違う”、と。


私の思ったことを代弁したのは、ひょっこり聖の陰から顔を覗かせた楓斗だった。


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