秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~


「華。そろそろつきあってるって会社で公表してみねぇ?」

もういいかななんて期待をいだきつつ華に言ってみたら、玉砕した。

「ダメだよ!
そんなことしたらわたし会社にいられなくなるじゃん!」

華はベッドで俺の腕の中。

「やっぱダメ?」

「だいたい、ここに住むってことは人事に住所同じってバレるってことでそれもかなりびくびくしてるのに・・・。」

「あー。それは大丈夫だ。
俺会社の住所登録は実家のままだし。ここ引っ越してきたの去年だったから忘れてた。住所変更。」

「ほんと?なら大丈夫だね。」

嬉しそうに笑ったのでむかついて華の口をふさぐ。

「ん~。佑介。ダメ・・・」

「ダメじゃねぇし。お前嫌なの?俺と住むの。」

「ちがうよ。
わかってないんだからもう。佑介は・・・」

「は?」

「いい?
佑介は王子って呼ばれてるのよ。会社では。」

「はぁ・・・それはまぁ知ってるけど。」

「その王子と付き合ってると公言するということは・・・
会社中の女子を敵に回すということになるの。」

「はぁ?なにその図式。」

「女の世界はいろいろあるのよ。」

華がどうだといわんばかりの顔で俺を見る。

めんどくせぇ・・。俺はお前が俺のもんだっていいたいだけなのに・・・。
ほかの男がいつもお前を見てるのが気に入らないだけ・・・なんだけどな。

まぁ仕方ない・・・女の世界とか言われるとこっちも手は出せないし・・・

「今は一緒に住んでくれただけでいっか・・・。」

「佑介・・・わかって。お願い・・・」

華に頼まれたら断れない俺。

「その代わり、もう一回・・・だぞ。」
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