秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
「及川さんと飯行きたかったから。引き止めときたかっただけ。」

「・・・」

「いつ終わる?」

「あと5枚伝票入れたら終わりです。」

「じゃあ。待つ。」

「あの・・・。」

「なに?」

「いえ。」

しばらく及川華のキーボードの音だけが聞こえていた。

「終わりました。」

「なら、行くよ。おいしいとこ予約したから。」

昼のうちに友達の店を予約しておいた。高校の同級生が小料理屋をやっており、よく食いに行っているのだ。

「あの・・わたしなんかといいんですか?クリスマスイブに。」

「及川さんさ。今日昼一緒して食べる姿が綺麗だなって・・あんな綺麗な食べ方する娘、いないよ。夜も一緒に食べたいと思った。」

歩きながら会話する。

「・・・」

俺たちは電車で俺のマンションの最寄り駅まで行き、駅前の小料理屋『ながさか』に入った。
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