秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
「よ!」

右手を挙げて店に入ると、いつもとかわらない輝《あきら》がこちらを見た。

華を見てちょっと意外そうな顔をした。
そりゃそうだ。いつも連れてくる女と全然違うからな・・・。

今まで俺が連れてきた女はみんな清楚系ではあるけど着飾っていたし、綺麗にしていた。

「佑介。久しぶりじゃん。カウンター、とっといたけど。」

「ありがと。」

カウンターの奥側に華を座らせた。

「すいません。」

華がぺこりとお辞儀をする。

「料理何する?」

「いつもの感じでいいよ。あと日本酒、熱燗。」

「じゃあ、活のいい鯛入ったから焼いてやるよ。そちらのおじょうさんは?日本酒でいいの?」

「はい。同じで。」

「あ、コイツ俺の高校からの親友だから。気にせず何でも言ってよ。」

「あ、そうなんですか?わたしは瀧さんと同じでいいです。」

「じゃあ。同じのにするね。ごゆっくり。」
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