秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~

「華《はな》ちゃん。今日ご飯でもどう?」

「予定がありますから・・・」

「そう言わずにさ。」

嫌な先客だ・・・。
昼から経理課の地味子のところへ月曜からのシンガポール出張の仮払いに来たところで、地味子を執拗に誘う崎本拓海《さきもとたくみ》に出くわした。

海外事業部2課の営業ホープ崎本拓海。俺の同期であり、一番のライバルでもある。

俺は基本的に社内は食わないようにしてるが、こいつは社内を食いまくってるって噂。

俺と同じように仕事以外に顔もまぁ認めたくないが一流の部類らしく、寄ってくる女は多数。社内では俺と2人。黒王子、白王子と呼ばれている。

もちろん俺が黒王子。崎本は白王子らしいが、さわやかでスマートな物腰とは裏腹に実は社内を食い荒らしてるって女子社員達は知らないらしい。

しかし、いくら社内が好きだからって、地味子にも手出す気か?
ストライクゾーン広すぎだろ?

「あ。じゃぁ明日は?香港のお土産あんだけど?」
< 4 / 146 >

この作品をシェア

pagetop