秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
でてきた料理はいつもだけどうまい。
コイツの料理はほんとに最高だ。

俺はこのあとのことを考えて、日本酒はさりげなく全部華に注ぐ。
酔っ払うわけにはいかないのだ。

「おいしい。」

一口食べた華も思わず声が出たみたいだ。

「お口にあったみたいでうれしいよ。」

カウンターの向こうから輝が声をかけた。

「ほんとにおいしいです。日本酒にも合いますし。また来たいくらい。」

「いつでも大歓迎だよ。また佑介と一緒にね。」

「いつでも連れてきてやるよ。」

華を見ると赤くなって下を向いていた。
なんだよ・・・そんな照れるなんてこっちが照れんだろ。


輝の料理と日本酒とあと風邪のせいもあってか、華の仮面がはがれてる。
いつもの仏頂面が消えてときどきかわいい笑顔を見せる。

華の警戒心を解くためにカウンター席にしたのだけど、横顔だけでもかなり打ち解けてきているのがわかった。

ひととおり食べて時計を見るとまだ8時半。会社でたの4時半ごろだし当然か・・・

「そろそろ行くか。」

「ええ。今日はごちそうさまでした。」

「あのさ・・・この後ちょっと付き合って。行きたいとこあんだよ。」

「はぁ・・・」
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