秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
店を出るとき輝が耳打ちした。

「かわいい娘じゃん。また連れて来いよ。やっと本命に出会ったってとこか?」

「うっせーよ。」

「ししし。またな。」

輝は右手をあげると厨房へ消えた。
コイツも二人目できたし大変だ。

コイツは高校の同級生と結婚した。
嫁の方もよく知っており、気さくないいやつで、店にもでているが、いまは2人目出産中で休んでいる。

若くして誰かひとりの女に決めて結婚するなんて・・・って思ってたけど、今思えば正当な判断な気がする・・・。

「おまたせ。」

店の外で待っていた華を見ると、日本酒にほろ酔いしているのか、マスクをするのを忘れているようだった。

「ごちそうさまでした。ほんとすみません。昼も夜もごちそうになって。」

「うん。でさ、こっち・・・」

俺は華の手を握り、ひっぱった。
華が固くなるのがわかる。

「ど、どこに行くんですか?」

俺もだんだん我慢できなくなっていた。

マンションに帰って車を出した。

「あの・・・」

「いいから。まだ時間早いだろ?」
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