秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
その日のうちにわたしの噂はかなりのスピードで社内に広まったらしい。
用もないのに管理部の扉を開いてチラチラ見て行く人までいた。


「華ちゃん?どうしたの?みんなにバレちゃったじゃん。かわいいって。」

崎本さんが仮払いをしにやってきて目を見開いている。

「そうですか?」

「そうだよ。俺だけしか知らなかったのにね。どういう心境の変化?オトコ?」

「いやあの・・・。」

「ふうん。ま、いいや。俺来週からまた1か月香港だからさ。戻ってきたら飯行こうね。じゃ。」

さわやかに去っていく。
やっぱり崎本さんはスマートだ。



結局その週はいろんな人から注目され、声をかけられ、その度に愛想笑いをして・・・ヘトヘトになって週末を迎えた。

佑介からは初日に
『海外事業部でもお前のこと噂になってる。みんなかわいいから狙うとか言ってやがる』と怒りのスタンプとともにLINEが来ていた。

『朝倉ぶちょーには言っといたから。あの人もミカちゃんのことあるから何も言わねーよ。』
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