家族
虐待というと
保母、保父から子供に対する
虐待を想像するかもしれない。

私がいたところは違っていた。
中学生から小学生に対する虐待が
毎日のように行われていたのだ。

たとえば
言われたことが出来なかったとき。
返事が聞こえなかったとき。
聞かれた事にすぐに答えられないとき。
目つきが気に入らないと難癖をつけて。
こういうときに虐待は行われる。

正座をさせ
ほうきを足(モモ)の間に挟む。
そのほうきの両端に別の人間が乗る。
乗っている人間は足踏みをして
体重をかける。
周りの大人は、
足が潰されて痛がっている子供を
ニヤニヤと眺めていた。

この虐待は「むぎふみ」と呼ばれていた。

その他にもいくつか虐待はあった。
何か余計な事を言うと
虐待されるかもしれないという恐怖から
日に日に私は無口になっていった。
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