家族
私は学校でも友達は少なかった。

施設の小学生は10人以上いて
皆同じ小学校に通うのにも関わらず、
小学校では施設の子供に対する
差別の目があった。
そのため、仲良くなれるのは
クラスに1人いるかいないかだった。

私はいつでも孤独を感じていた。

そんな中で心の支えになったのは
兄と弟の存在だった。

兄はいつも私には優しかった。
自分の友達と遊びに行くときには
私を連れて行ってくれた。
私が外出許可を貰って外に出るのは
この時だけだ。
この時間は当時、一番幸せな時間だった。

ただ、施設では
男子棟と女子棟がわかれているので
兄には滅多に会えなかった。

弟はまだ3歳だったので
施設内の保育所にいた。
保育所は女子棟のすぐそばにあるので
私は毎日のように弟に会いにいった。

弟はそれはそれは可愛く
まるで天使のようだった。
まだ母が恋しい時期だろうに
母を想って泣く事もなかった。
きっと、まだ物心がついていない時期に
母と別れたため
母という存在自体が
わからなかったのだと想う。

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