あいつと過ごした時間
それからご飯を食べたり、たわいも無い話をして過ごし、気がつくと既に日付けが変わっていた。

はやと「そろそろ寝るかー」

それが合図となり、あいとみゆきはあいの部屋で俺ははやととリビングで寝た。


はやとの寝息が聞こえて来た頃、俺は発作に襲われていた。
はやとを起こさない様に静かに痛みに耐えていた。


あい「こうへい?ねえ、こうへい?」

俺はその声ですこしだけ目を開いた。

「あい...か。ハァハァ...大...丈夫だよ。」

あいの声と俺の声ではやとが起きた。

はやと「ん?どうした?」

あい「こうへいが、こうへいが...」

はやと「おい、大丈夫か?」

「...おう。大...丈夫だ。」

はやと「あい、お前は部屋に戻れ。」

あい「...え?でも...」

はやと「いいから早く。こうへいは大丈夫だから」


そんな会話を薄れゆく意識の中聞いていた。


あいが部屋に戻ったのを確認してからはやとが話しかけてきた。

はやと「おい、まぢ大丈夫かよ。薬は?」

「...ハァハァ、ない。」

はやと「はあ?お前...どおするだよ、」

「大...丈夫...だから...。」


俺は目をつぶったまま話を続けた。


「俺さ...初めてなんだよ。こんな...好きになったの...。だから...ハァハァ、あいつの事...守りてーんだ。こんな俺で...守れるか...わかんねえけどな。」


途切れ途切れに必死に伝えた。


はやと「わかったから、もう喋るな。」

こうへい「はやと...ありがとな...」


そこで俺の意識は途絶えた。





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