あいつと過ごした時間
そして、外が明るくなり始めた頃俺は意識が戻り始めた。

発作の余韻で身体がだるく、少し胸に違和感があった。


足音が聞こえ、だんだん近づいてきた。
そして、俺の手を握った。


『こうへい…早く良くなってね』


あいだ…
俺は泣きそうになった。
ゆっくり目を開けると、あいは俺の手を握ったまま寝ていた。
その目は瞑っていても分かるくらい腫れていた。

俺の心はギュッと締め付けられた。


「あい…ごめんな…。」


俺はあいを起こさないように片手でゆっくり毛布をかけた。





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