あいつと過ごした時間
そして、観覧車が下まで着き俺はあいにお礼を言い起き上がった。

久しぶりにこんなに身体がだるく、胸も呼吸も苦しかった
俺は自分自身に大丈夫と言い聞かせ、あいに笑顔を作った。


観覧車から降り、真っ先にみゆきがあいに飛びついて来た。
2人は嬉しそうに何かを話していた。
すごく微笑ましくて、見ているこっちまで幸せな気分になった。
でも…
俺の身体は限界だった。
近寄って来たはやとに倒れるようにもたれかかり、肩を借りた。


はやと「おい!大丈夫か?」


本当は大丈夫なんかじゃなかった。
でも、あいつらにどうしても知られたくなかった。


「あいつらにはバレたくねえから、違うとこ行こ。」


俺がそう言うと、はやとはあい達に出口で待つように伝えに行った。

はやとが離れた瞬間俺は1人では立っていられなくなり地面に座り込んだ。
すぐにはやとが駆け寄って来た。


はやと「おい!こうへいお前ヤバくねえか?病院いこう?」

「病院は行かねえ。今はあいつと、あいと一緒にいてえんだよ。」

はやと「そんな事言ってる場合じゃねえだろ。」


はやとが初めて俺に怒鳴った。


「俺いつ死ぬか分かんねえんだよ?これでもしかしたら死ぬかもしれねえ。あいつに告られたんだよ...。こうへいの事がすきになっちゃったって...」

俺はつい、本音が出た。


はやと「今日のお前どうしたんだよ。お前いったよな?心臓病って教えてくれた時、みんなよりは早く死ぬけど、50位までは生きられるって。」


はやとの事は信用してる。
でも、本当の事が言えなかった…


「そうだったな...。発作が続いたから精神的にきちゃったのかも...。」

はやと「それわしゃーねよ。気持ちだけでもしっかりしろ。」


俺は顔を上げられずそのまま話した。


「そうだよな...。俺さ...あいに告られた時寝たふりしちゃったんだよね...。あいつも俺が寝てると思って話してたっぽいけど...。はやと...俺...どおすりゃーいいんだ。わかんねえよ」


今にも涙がこぼれ落ちそうだった。


はやと「一度しかない人生後悔しないようにしろ。」

「え?」


思わず顔を上げた。


はやと「お前が俺に言った言葉だ。」

「...。後悔か...」

はやと「おう!」


はやとの自信満々な笑顔をみたら、なぜか安心して俺の目から涙がこぼれ落ちた。







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