手紙
プルルルル……。
「はいはーい、今待ってね」
ガチャ。
「もしもしーー!私。良子元気にしてる?」
う、うるさい声。
それは学生時代の友人からの電話だった。
「はい、元気だよ。どうした?直子」
「今度さぁ、明後日30日の日にいつものメンバーで会うんだけど、良子も来ない?」
「30日。うーん。うん!いいよ空いてる。」
「まぁた、最近は家に居るくせにぃ。あっ、ごめん」
「あはは、いいよ気にしなくて」
「うん、じゃ30日、いつもの場所にいつもの時間5時ね!」
「はーい、了解 じゃ!」
ガチャ、電話をおいた。
その後、仲間っていいもんだなと思いながらも、ふと電話と手紙の事をオーバーラップさせていた。
「いつもの時間、場所 か……。」
そして、再び手紙を手にとってみた。
良く見るとそこには懐かしい筆跡を思わせるくせ字。
なぜだか、無性に想いがよみがえってきた。
あの人との想い出のアルバムを持ち出して見てみる。
いろんな場所でいろんな時間で、共に過ごした日々。
結婚してからは短い時間だったけれど、あなたは私に幸せをくれた。
そう思うと、想い出が涙となって頬を伝わってきた。
「今は少しだけ涙流していいですか?あなたは私の笑顔が好きだと言っていたけれど。」
独りつぶやく。
そして、手紙信じてもいいかな……と、思い初めていた。
「嘘でも、夢でもいい。あなたに……また逢いたい。」