手紙
フゥーフゥー
カレンダーの月も変わり今日は7日の日。あの人と出会った日。
フゥーフゥー
私はまた、手紙を出しては眺めていた。息で揺らしながら。
「あなた信じていいのでしょうか?」
「それとも神様のいたずらでしょうか?」
「あなたは優しい人でした。最愛の人でした。」
「だけれど、照れ屋のあなたは私が何度言って!と言ってみても
『愛してる』は言ってくれませんでしたね。」
なんて、独りつぶやく。
出会ったのは夕刻。私は少し肌寒い外へ出てみた。
「嘘でもいい、もしおばけでも、あなたに出逢えるんなら」
私は意を決して外へ飛び出した。あの坂道へ。