カゼカオル
ここか。

僕は薫のお見舞いに行くことにした。

603号室。北沢薫 様。

ドアを開けるとそこには
少し痩せた薫がいた。

「河上くん?どうして?」

「いや、入院したってきいて。
心配になって。」

「ありがとう。最近家族以外会って
いなかったから嬉しい。」

彼女はゆっくり微笑んだ。
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