カゼカオル
「大丈夫?どうして入院なんか。」

彼女は静かに語り出した。

「私ね、昔交通事故に遭ったの。
中学生の時に。
河上くんが連れていってくれて私が
しゃがみ込んだ場所あったでしょ。
あそこの横断歩道で遭ったの。
頭を強く打って運悪く記憶を司る
ところだったみたいで。
そのときの傷がたまに痛むの。」

まだ何か言いたそう、
でも僕の顔を見て黙った。

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