カゼカオル
僕の手を握り、

「親が離婚したの。」

「えっ。」

そういえば昔からお父さんの話を
きいたことがなかった。

「暴力ばかり振るう人で、
事故に遭って病院に運ばれたときも
お母さんはあざだらけで来た。
そのとき私お母さんが苦しんでるのに
私……。何もできなかった。
ただ暴力に耐えるお母さんを見ることしか
できなかった。それがショックで……。」

僕は彼女の頭に手を置いた。
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