カゼカオル
雨はだんだんと強くなる。

たどり着くと、僕を見た途端
彼女は泣き出し、

「遅いよ!凍え死にそうだったじゃん!」

そばにいくと雨でびしょ濡れになっていた。

「ごめん。いろいろ用意してたら
遅くなっちゃった。」

「服貸して。」

僕の服は彼女には大分大きかったみたいだ。

「あったかい。」

「これもどうぞ。」

首にしていたマフラーを広げ彼女の
背中にかけた。

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