カゼカオル
今度は僕が力強く抱きしめた。

「僕を信じてよ。
君を裏切ることなんかしない。
薫を悲しませることなんかしない。」

彼女の手が僕の背中に回る。

「好き。
私、河上くん。ううん、風くんが好き。
あれから少しずつ思い出してきたの。
まだ全部じゃないけど。
そのときの私の顔いつも笑ってた。
楽しかったんだね。それから、
それからね、」

僕は嬉しくなって思わずキスをした。
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