カゼカオル
僕は藤田に食堂に連行されて、

「お前、あのときのやつほんとか?」

「あぁ、ほんとだよ。」

すると藤田がいきなり俺を
指差しながら

「薫ちゃーーーん。ばいばーーい!」


「おい、やめろって!」

彼女は藤田に小さく手を振った。

「かっわいい〜。嘘だよ。お前。」

藤田は鼻の下が伸びきっていた。

「お前が、あんな可愛い子と
付き合えるわけないっつーの。」

すぐさま写真を見せた。

「ほら、見てみろ。ほんとなんだよ。」

急に表情が硬くなり

「え、まじかよ。
これ薫ちゃんとお前じゃん。」

どうやら信じてくれたようだ。

「でも、薫は俺のこと忘れてるんだ。」

「はぁ!?」

「詳しいことは話してくれなかった。
きっと何かが彼女の身に起こったんだ。」

「つっ、つまり。記憶喪失ってことか?」







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