カゼカオル
あまりに気になるので次の日
1組の教室に行くことにした。

先生の話が長かったこともあり
その子は1人端の方で待っていた。

「ごめん。遅くなって。
どうしたの、いきなり僕なんか
呼び出して。」

しばらくその子は黙っていた。

ゆっくりと口を開いた。

「あのね。薫は他に好きな人がいるの。
知ってるでしょ。私と同じクラスの隼也くん。」

なぜ薫の名前が……。
その子は話しだすと止まらなかった。

「クラスでもほんとに仲良くて
ずっと一緒にいるの。」

なにが言いたいんだ。

「だから、薫のことは諦めて。」

「なんだよ、薫は関係ないだろ。」

きつい言い方になってしまった。

目には涙がたまっている。
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