カゼカオル
観覧車を降りると、

「信じれないよねこんな話。」

ふと我に返った。

「まだどういうことか分からないの。」

僕も勢いあまって説明になってなかった。

もういいここまで来たら次に行こう。

「ここは僕と君が初めて手を繋いだ場所。
その日は確か君の誕生日だったからマフラー
をあげたんだ。」

さっきと明らかに表情が暗い。

「そ、そうなんだ。」

「思い出せそうかな?」

「ううん。思い出せない。」

これだけ行っても思い出せないのか。

僕はだんだんと自信がなくなってきた。

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