カゼカオル
急すぎてびっくりして
耳がじんわりと熱くなった。

「な、なにすんだよ。」

「私ね、初めて風太くんをみたときから
ずっと好きだったの。」

遠くの方をずーっと見ながら

「なのに、風太くんは薫ばっかり。
諦めてほしくてあんなこと言っちゃったの。
だから、振られたって思って正直
嬉しかった。性格悪いねほんと。」

こんな情けない僕を好きな人がいるなんて。


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