Being your Darling!
「やっぱり、女の子役やりたいなぁ」
薄ピンクの壁紙。
部屋中に置かれたキ●ララのグッズたち。
お姫様みたいな天蓋付きのベッドと、たくさん並んだぬいぐるみたち。
本棚に綺麗に並んだファッション雑誌。
そうだ。
さっきのロミオの部屋が、これである。
「でもやっぱり、うちの部男の子いないからなぁ」
葉月高校演劇部には男子がいない。共学校なのに、だ。
莉亜としてはやっぱり男子が欲しいところだが、別にいいと思っている。
実際に男役は楽しいし、もっとやりたいと思っているようだが、莉亜が入部してから男役ばかりやらされているため、そろそろ女役をやらせてくれてもいいんじゃないかなーと思っているようだ。
今日、11月30日にあった文化祭が、演劇部の年内最後の公演だった。
「……五條、見にきてくれたかな」
五條雅明。
浅羽莉亜の数少ない男友達のうちの1人である。
2年になって、莉亜は文系に行って五條は理系に行ったから、クラスは離れ離れだ。
でも、今でも定期的に一緒に帰ったりLINEで話していたりする。
五條と莉亜はよく趣味が合う。
莉亜の女の子らしい趣味はまだ五條には明かしていないようだが、2人ともホラーゲームが大好きである。
フリーホラーゲーム、コンシューマー版問わず幅広くやっているようだ。
「……最近会ってないなぁ」
莉亜の演劇部の練習が忙しくて、最近はなかなか直接話せていないようだ。
莉亜がそんなことを考えていたときに、スマホが鳴った。
「…!!!」
……五條からのLINEだった。
莉亜はふわふわのカバーをつけたスマホを手に取って、ロックを解除した。
『ロミオよかったよー』
五條からのメッセージだった。そっけない一言だが、莉亜には身にしみた。
『ありがと』
莉亜が送ったメッセージに、秒で既読がついた。
『ところでさ、浅羽の予定が合えばでいいんだけど』
どうしたんだろう。なぜか五條らしくない文章な気がする、と莉亜は思った。
『なに?』
単純に疑問を抱いた莉亜は聞き返す。
『クリスマスに、イルミネーション見に行かね?2人で』
「…………え?」
メッセージを見た莉亜の、第一声だった。
莉亜はもう一度、五條からのメッセージを見返した。
クリスマスに、イルミネーション見に行かね?2人で。
クリスマス、イルミネーション。……2人きり。
「…………えぇぇぇぇ!?!?!?!?!?!?」
嘘だ。
莉亜は一瞬頭が真っ白になった。
莉亜は未だに五條からのメッセージが理解できていないようだ。
あんなにデリカシーがなくて硬派で恋愛経験すらまだしてない五條が?
女の子をイルミネーションに誘う??
しかも2人きりときた。
これは一体なんなんだろう。何が目的なんだろう?
莉亜はそう疑問に思って、数分間思考を巡らせてみた。
まさか…………私に気がある?
莉亜が出した結論だった。
「…………いやいやいや、ないってそれは!!!」
そもそも、五條は恋愛経験すらまだしていないようだ。莉亜が実際聞いたことだから、間違いはない。
気があるのかどうかも、わからないかもしれない。
……でも、数少ない男友達の誘いを断るのはいかがなものか。
そう考えた莉亜が打った返信がこれだ。
『いいよ、行こー』
…………言ってしまった。
莉亜はメッセージを送信した直後に軽く後悔した。
クリスマスに、莉亜は五條に初めて私服姿を晒すのだ。
薄ピンクの壁紙。
部屋中に置かれたキ●ララのグッズたち。
お姫様みたいな天蓋付きのベッドと、たくさん並んだぬいぐるみたち。
本棚に綺麗に並んだファッション雑誌。
そうだ。
さっきのロミオの部屋が、これである。
「でもやっぱり、うちの部男の子いないからなぁ」
葉月高校演劇部には男子がいない。共学校なのに、だ。
莉亜としてはやっぱり男子が欲しいところだが、別にいいと思っている。
実際に男役は楽しいし、もっとやりたいと思っているようだが、莉亜が入部してから男役ばかりやらされているため、そろそろ女役をやらせてくれてもいいんじゃないかなーと思っているようだ。
今日、11月30日にあった文化祭が、演劇部の年内最後の公演だった。
「……五條、見にきてくれたかな」
五條雅明。
浅羽莉亜の数少ない男友達のうちの1人である。
2年になって、莉亜は文系に行って五條は理系に行ったから、クラスは離れ離れだ。
でも、今でも定期的に一緒に帰ったりLINEで話していたりする。
五條と莉亜はよく趣味が合う。
莉亜の女の子らしい趣味はまだ五條には明かしていないようだが、2人ともホラーゲームが大好きである。
フリーホラーゲーム、コンシューマー版問わず幅広くやっているようだ。
「……最近会ってないなぁ」
莉亜の演劇部の練習が忙しくて、最近はなかなか直接話せていないようだ。
莉亜がそんなことを考えていたときに、スマホが鳴った。
「…!!!」
……五條からのLINEだった。
莉亜はふわふわのカバーをつけたスマホを手に取って、ロックを解除した。
『ロミオよかったよー』
五條からのメッセージだった。そっけない一言だが、莉亜には身にしみた。
『ありがと』
莉亜が送ったメッセージに、秒で既読がついた。
『ところでさ、浅羽の予定が合えばでいいんだけど』
どうしたんだろう。なぜか五條らしくない文章な気がする、と莉亜は思った。
『なに?』
単純に疑問を抱いた莉亜は聞き返す。
『クリスマスに、イルミネーション見に行かね?2人で』
「…………え?」
メッセージを見た莉亜の、第一声だった。
莉亜はもう一度、五條からのメッセージを見返した。
クリスマスに、イルミネーション見に行かね?2人で。
クリスマス、イルミネーション。……2人きり。
「…………えぇぇぇぇ!?!?!?!?!?!?」
嘘だ。
莉亜は一瞬頭が真っ白になった。
莉亜は未だに五條からのメッセージが理解できていないようだ。
あんなにデリカシーがなくて硬派で恋愛経験すらまだしてない五條が?
女の子をイルミネーションに誘う??
しかも2人きりときた。
これは一体なんなんだろう。何が目的なんだろう?
莉亜はそう疑問に思って、数分間思考を巡らせてみた。
まさか…………私に気がある?
莉亜が出した結論だった。
「…………いやいやいや、ないってそれは!!!」
そもそも、五條は恋愛経験すらまだしていないようだ。莉亜が実際聞いたことだから、間違いはない。
気があるのかどうかも、わからないかもしれない。
……でも、数少ない男友達の誘いを断るのはいかがなものか。
そう考えた莉亜が打った返信がこれだ。
『いいよ、行こー』
…………言ってしまった。
莉亜はメッセージを送信した直後に軽く後悔した。
クリスマスに、莉亜は五條に初めて私服姿を晒すのだ。