輝く雨
宇汰が毎晩、私が怖がるとわかっていながら部屋を暗くするのは、私と星を見に行きたいかららしい。
何度一人で行けと思ったことか。
「でも、星綺麗でしょ?」
「それを楽しむよりも前に、暗くて怖いって、何回言ったらわかるかな、あんたは」
すると、宇汰は電気をつけてくれた。
そしてはっきり見えた宇汰は、尻尾の下がった子犬のようだった。
「月奏ちゃん、星嫌い?」
「どっちでもいいでしょ。とにかく、いい加減やめてよ」
私の主張はちゃんと宇汰の耳に入っているはずなのに、宇汰は片付けに集中しているふりをした。
ただでさえ夜中で静かなのに、気まずさでさらに沈黙が流れた。
「……宇汰は、どうして私と星を見に行きたいの?」
自分でその空気にしておきながら、沈黙に耐えられなくなった私は、寂しさを全面に出している宇汰の背中に問いかけた。
「ふふ、内緒」
……ムカついた。
内緒ってなに?
もしかして、この行動に意味はなくて、ただ嫌がらせってこと?
「……帰って。二度と来んな!」
私は宇汰の荷物ごと、部屋から追い出した。